○南部町環境基本条例

平成16年12月15日

条例第192号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 快適な環境の保全及び創造に関する基本的施策(第7条―第15条)

第3章 南部町環境審議会(第16条―第23条)

第4章 雑則(第24条)

附則

私たち南部町民は、美しい自然の恵みに支えられ、緑豊かな山々に囲まれて、四季の彩り豊かな環境の中で生活を営み、古くから歴史や文化を伝承し、育んできた。

これらは、町民共通の貴重な財産である。

一方、私たちは、生活の利便性や豊さを求める余り、資源やエネルギーを大量に消費し、これにより私たちの町のみならず、地球的規模での環境の汚染や自然の破壊がもたらされつつある。

私たちは、健全で恵み豊かな環境の中で、健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、この環境を保全し、より安全で快適な環境を創造し、次の世代により良い環境を引き継ぐ責務を負っている。

ここに、私たちは、快適な環境を守るため、私たちの生活様式や社会経済活動が、環境へ様々な負荷を与えていることを自覚し、町・町民・事業者が一体となって南部町にかかわる環境を保全し、より良い環境を創造していくため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、快適な環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに町・町民・事業者の責務を明らかにするとともに、快適な環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定め、環境の保全及び創造を総合的かつ計画的に推進することにより、現在及び将来にわたって、町民が健康で文化的な生活を営むことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染野生生物の種の減少その他地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産及び人の生活に密接な関係のある動植物並びにその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(4) 循環型社会 製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。

(基本理念)

第3条 快適な環境の保全及び創造は、すべての町民が健康で文化的な生活ができるよう恵み豊かな環境を確保し、この環境を将来にわたって継承されるように適切に行われなければならない。

2 快適な環境の保全又は創造は、地域における日常生活及び事業活動が地球環境に影響を及ぼしていることに鑑み、循環型社会の構築及び人と自然が共生し、持続的発展が可能な社会の実現に向け、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、基本理念にのっとり、次の事項を確保するため、国、県の施策と相まって、他の自治体とも相協力し、町民の参画により快適な環境の保全及び創造に関し、町のすべての施策について環境に配慮し、実施する責務を有する。

(1) 人の健康が保護され、生活環境が保全され、自然環境が適正に保全されるよう大気・水・土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 人と自然との豊かなふれあいが保たれるとともに、森林、農地、河川、湖沼等が有する多様な公益性に鑑み、地域の特性を生かした快適な環境が体系的に保全されること。

(3) うるおいとやすらぎのある農村環境を創造するため、緑や水系を生かした施設の整備、良好な景観の確保、自然災害に強い安心で住みよいまちづくり等を総合的かつ計画的に図ること。

(4) 循環型社会の構築を促進し、地球環境の保全の取組みが推進されること。

(5) その他快適な環境の保全及び創造に関して、町長が必要と認める事項

2 町は、施策の策定及び実施に当たっては、常に快適な環境の保全及び創造に配慮し、町民及び事業者が環境への負荷の低減のための適切な措置をとるよう誘導し、必要な情報の収集に努めるとともに適切な情報を提供し、県、町民及び事業者と連携し快適な環境の保全及び創造に関する施策を策定し、積極的に推進する責務を有する。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念にのっとり、環境を守るため、循環型社会の構築と地球環境の保全に努めるとともに、日常生活に伴う環境への負荷を認識し、生活様式の見直しに努めるものとする。

2 町民は、基本理念にのっとり、快適な環境の保全及び創造に自らが努めるとともに、町が実施する快適な環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、自然環境を適正に保全し、地球温暖化を防止するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 事業者は、基本理念にのっとり、環境を守るため、その事業活動によって製品その他の物が産業廃棄物となった場合に、その処理が適切に行われるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 事業者は、基本理念にのっとり、環境を守るため、その事業活動を行うに当たって、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料等を利用するように努めるとともに、資源の循環的利用及びエネルギー等の有効利用に努める。

4 事業者は、基本理念にのっとり、環境を守るため、土地の形状を変更する事業を行う場合は、町の土地の利用に関する計画に適合するとともに、利害関係が生ずると予測される関係住民とも協議し、関係法令による必要な許可及び認可を受け、環境に配慮した事業を推進しなければならない。

5 前各項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し快適な環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町が実施する快適な環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 快適な環境の保全及び創造に関する基本的施策

(環境基本計画の策定)

第7条 町長は、快適な環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画には、次の事項を定めるものとする。

(1) 快適な環境の保全及び創造に関する目標及び施策の方向

(2) その他快適な環境の保全及び創造に関する施策に必要な事項

3 町長は、環境基本改革を定めるにあたっては、あらかじめ南部町環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(土地の形状の変更に関する指導)

第8条 町は、安全で快適な環境を保全するため、事業者が土地の形状を変更する事業を実施するときは、その事業の実施にあたり環境に及ぼす影響について事業者自らが適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、安全で快適な環境に配慮した事業を推進するため、適切な指導をするものとする。

(公害の防止)

第9条 町は、公害の原因となる行為及びその他相当な範囲にわたって人の健康に悪影響を及ぼすおそれがある行為を防止するため、必要な措置を講ずるものとする。

(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)

第10条 町は、環境の保全のための公共的施設の整備及び河川、湖沼の水質の浄化を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 町は、下水道、合併処理浄化槽及び廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(人と自然とが触れ合う快適な環境の創造)

第11条 町は、人と自然とが触れ合う快適な環境を創造するため、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するよう努めるものとする。

2 町は、道路その他の公共的施設の整備に当たっては、自然保護に配慮し、できるだけ自然を生かした整備を行うよう努めるものとする。

3 町は、歴史的文化的資源を活用した環境及びその他の地域の特性を生かした快適な環境を創造するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(廃棄物対策の促進)

第12条 町は、環境への負荷の低減を図るため、町民及び事業者と協力して廃棄物の減量化及び適正な処理が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(環境学習の推進及び情報提供)

第13条 町は、町民及び事業者が快適な環境の保全及び創造についての理解と活動の意欲を高めるため、必要な学習の推進並びに情報の提供を行うよう努めるものとする。

(民間団体等の自発的活動の促進)

第14条 町は、町民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に取り組む緑化活動、環境美化活動及び再生資源に係る回収活動、その他の快適な環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように必要な支援を行うものとする。

(監視等の体制の整備)

第15条 町、環境の状況を適確に把握し快適な環境保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視等の体制の整備に努めるものとする。

第3章 南部町環境審議会

(設置)

第16条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、町の区域における快適な環境の保全及び創造に関して基本的事項を調査審議するため南部町環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事項について調査審議する。

(1) 環境基本計画に関し、第7条第3項に規定する事項を処理すること。

(2) 町長の諮問に応じ、環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項を調査審議すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、快適な環境の保全及び創造に関する基本的事項について調査審議すること。

(組織)

第17条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げるもののうちから、町長が任命する。

(1) 学識経験者

(2) 民間団体の代表

(3) 公募による町民

(任期)

第18条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(特別委員)

第19条 審議会に、特別の事項を調査審議させるため、必要に応じ特別委員を置くことができる。

2 特別委員は、学識経験者及び関係行政機関の職員のうちから、町長が任命する。

3 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任される。

(会長及び副会長)

第20条 審議会に、会長及び副会長それぞれ1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第21条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、在任委員及び議事に関係のある特別委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員及び議事に関係のある特別委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(庶務)

第22条 審議会の庶務は、企画政策課が処理する。

(その他の事項)

第23条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、審議会が定める。

第4章 雑則

(委任)

第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この条例は、平成17年1月1日から施行する。

南部町環境基本条例

平成16年12月15日 条例第192号

(平成16年12月15日施行)