学びのコラム

子どもとのよい関係作りとは・・・

大阪教育大学准教授 小﨑 恭弘先生

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子どもの愛着(心と心の関係性)はどのようにして、作られるものでしょうか?

まず子どもはとても未熟な状態で生まれてきます。本当はあと1年間ぐらいおなかの中にいる方が生物的にはよいそうです。しかし脳が発達しすぎてしまい、頭が大きくなり過ぎ、これ以上母体の中にいると出産ができなくなるので、かなり未熟な状態で生まれてくるようになりました。

つまり生まれたばかりの子どもは、全く何もできない状態で生まれてくるという事です。ほかの哺乳類が生まれて1時間ぐらいで走ったり、自分でおっぱいを飲んでいる姿と比べるとわかりやすいですね。

そう考えると親子の最初のかかわりは、命を支えるという、関係性が中心となります。簡単に言うと「おっぱいを飲ませてくれる」という事です。やはり母が強いでしょう。もちろんミルク等もあるので現在は父親でも、その役割の一部を担うことができます。きちんと命を守るかかわりをしてあげることが、この時期とても大切といえます。そのことが基本となり、かかわりが深まっていきます。

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そしてそのことがある程度確立していくと、その次の段階に進みます。それがふれあいを中心とした 「快」の関係性です。1歳ぐらいになると、子どもたちは自ら積極的に周りの環境とかかわりを持ち、そしてその中でその環境を自分の中に取り込もうとします。言葉であったり、動作やしぐさ、生活様式や社会のルールなどを貪欲に求めていきます。それらの行動が「まねっこ」(模倣)となります。この時期は何でも周りのことに関心を持って、自分でなめたり触ったりして確かめようとします。とにかく何でも「同じ」ことをしようとします。そんなタイミングで子どもたちと積極的にかかわることが、子どもの世界を広げ、そしてより良い成長につながります。その時にいっぱい子どもと遊びましょう。

特に体を使った遊びがよいです。子どもは小さければ小さいほど、「心と体」が近いです。子どもの体の感覚、体の感じる力を使う遊びがよいでしょう。抱きしめてあげる、おんぶや抱っこをする、一緒にお風呂に入る、とんとんして一緒に寝る。このようなスキンシップに基づくふれあいを、アタッチメントといいます。

このアタッチメントが子どもの心を豊かに育て、そして子どもの情緒的な交流の第一歩となります。身体的な心地よさを基盤にした、心と心のふれあいといえます。いっぱいいっぱい子どもとふれあって遊びましょう!

 

小﨑先生のパパ視線!

子育ては量?質?どっちが大切?

お仕事に地域の活動にパパはなかなか忙しいです。子育てしたいけど、なかなか時間がとれなくて!という声をよく聞きます。そんなときは子育ての質を上げるように心がけましょう。子育ての質とは、子どもたちの心に深く残る体験や感動的な出来事です。少しの時間でも、普段できない体験やちょっと突拍子もない事件などです。家の中でテントを張ったり、釣った魚を自分たちで調理して食べたりすることは、インパクトのある出来事といえます。少しの工夫で親子の関係がぐっと近づきますよ!

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