子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)について
2023年11月22日 更新
子宮頸がん予防ワクチンは、予防接種法に基づく定期の予防接種です。
1.ヒトパピローマウイルスについて
ヒトパピローマウイルス(HPV)は多くの人が感染し、そしてその一部が子宮頸がん等を発症します。子宮頸がんの約50~70%は、HPV16、18型感染が原因とされています。HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは自然に検出されなくなりますが、一部が子宮頸がんを発症します。
2.子宮頸がん予防ワクチンについて
子宮頸がんワクチンを接種することで、子宮頸がんを発症しやすいHPVウイルスの感染を予防する効果が認められています。
定期接種で使用されるワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)、9価ワクチン(シルガード®9)の3種類があります。
2価ワクチン(サーバリックス®)
子宮頸がんをおこしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を予防します。このことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
4価ワクチン(ガーダシル®)
2価ワクチンに加え、尖圭コンジローマなどの原因となる6型と11型にも効果があります。
令和5年4月から定期接種となった9価ワクチン(シルガード®9)は、さらに他の5種類(※)のHPV感染も予防し、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
(※)HPV31型、33型、45型、52型、58型
接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。
どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談してください。
【定期接種対象】 | 12歳となる年度の初日から16歳となる年度の末日までの間にある女子 |
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【標準的な接種期間】 | 中学1年生(13歳相当) |
一般的な接種スケジュール
3種類いずれも、1年以内に接種を終えることが望ましい。
※注1 1回目と2回目の接種は、通常5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2・3 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます。
※4・5 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の1か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※4)、3回目は1回目から5か月以上、2回目から2か月半以上(※5)あけます。
3.子宮頸がん予防ワクチンのリスク
HPVワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。
まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。
※表は右にスクロールすることができます。
発生頻度 2価ワクチン(サーバリックス®) 4価ワクチン(ガーダシル®) 9価ワクチン(シルガード®9) 50%以上 疼痛*、発赤*、腫脹*、疲労 疼痛* 疼痛* 10~50%未満 掻痒(かゆみ)、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など 紅斑*、腫脹* 腫脹*、紅斑*、頭痛 1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 頭痛、そう痒感*、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感*、発熱、疲労、内出血*など 1%未満 知覚異常*、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結*、出血*、不快感*、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血*、血腫*、倦怠感、硬結*など 頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など *接種した部位の症状
サーバリックス®添付文書(第14版)、ガーダシル®添付文書(第2版)、シルガード®9添付文書(第1版)より改編
因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、サーバリックス®またはガーダシル®では約9人、シルガード®9では約8人です。
このうち、報告した医師や企業が重篤と判断した人は、接種1万人あたり、サーバリックス®またはガーダシル®では約5人、シルガード®9では約7人です
4.接種勧奨の再開について
ワクチンを接種した後に、広い範囲に広がる痛みや手足の動かしにくさ、不随意運動等を中心とする多様な症状が起きたことが、副反応疑い報告により報告されました。このため、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされ、平成25年6月から積極的な接種勧奨を控えるようになりました。
その後、最新の知見を踏まえ、ワクチンの安全性に特段の懸念が認められないこと、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められることなどから、積極的勧奨の差し控えを終了し、対象者へ個別勧奨を再開しました。
南部町では令和4年4月から対象の方へ案内を順次送付しています。
5.キャッチアップ接種について
積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方に対して、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行う、キャッチアップ接種を行います。
キャッチアップ接種の対象 |
平成9年度生まれ~平成19年度生まれまでの女子 (平成18年度生まれの女子は令和5年度から、平成19年度生まれの女子は令和6年度から対象に追加) |
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対象期間 | 令和4(2022)年~令和7(2025)年3月までの3年間 |
対象の方へは順次予診票をお送りしております。
※定期接種を受けておらず、定期接種の対象年齢を過ぎて、HPVワクチンの接種(2価、4価ワクチン)を令和4年3月31日までに自費で受けられた方につきましては、被接種者が負担した実費に相当する額を最大3回接種分まで支給致しますので、健康福祉課へお問い合わせください。
6.接種を希望される場合
定期接種の標準的な接種期間にあたる中学1年生女子の方へ、ご案内と予診票を送付させていただいております。接種を希望される方は、同封の医療機関一覧をご確認いただき、直接医療機関へご予約をお願いします。
【お問い合わせ先】
南部町役場 健康福祉課(健康管理センターすこやか内)
南部町倭482 電話 66-5524