平成28年度 水道事業会計決算報告書
〈平成28年度の取り組み及び課題について〉
平成28年度の南部町水道事業は、災害時にも安定的に水道水を供給できるライフラインとしての機能向上を図るため、簡易水道と上水道の統合の推進や水道施設の強化に取り組んできました。
10月に発生した鳥取中部地震の影響で、湧水を主要水源とする会見地区の広範囲にわたって濁水が生じたことから、湧水の水源の脆弱性が明らかになりました。このような経験から、今後は新水源の開発などの災害に強い給水体制を整備していく必要があります。また、1月には東西町他複数集落に配水する基幹施設が老朽化により破損し広範囲で断水が発生しており、老朽施設の更新も喫緊の課題となっています。
〈簡易水道の上水道への統合について〉
9つあった簡易水道と上水道の事業認可を統合し一体的な経営を行うことができる体制が確立されました。料金についても、平成29年3月の定例議会において、“一般用の料金統一”と“財政収支の改善”を目的する平成29年度と平成32年度の料金改定案が承認されました。今後、料金収入の変動に伴う財政収支の状況を注視していく必要があります。
〈経営面について〉
近年の人口減少により大きな給水収益の増加は見込めない状況が続いているなかで、集合住宅や商業施設の建設などの影響により前年度並みの事業収入を得ることができました。しかし、耐用年数を超えた老朽施設の増加に伴い修繕費等施設の維持費用の変動を予測できない状況が続いており現状を楽観できる状況ではありません。経費の節減、事業の効率化を徹底するとともに、施設の更新を適時行うことで維持管理費用を安定させ財政の健全化を図ってまいります。
□平成28年度給水人口 11,057人 (前年度比較 117人 減少)
□平成28年度給水件数 4,027件 (前年度比較 8件 増加)
□平成28年度有収水量 1,165,668㎥ (前年度比較 472㎥ 減少)
□平成28年度当期純利益 10,836千円(前年度比較 6,698千 増加)